2023
11.26

世界で5番目に小さな国、サンマリノのぶどう畑とオリーブの木々に囲まれたその中に神社はあった!

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今回は、イタリア半島の付け根、アドリア海に近い小国サンマリノについて紹介したいと思います。

サンマリノ共和国の概要

サンマリノ共和国はイタリア半島中東部に位置する周囲をイタリア共和国に囲まれた人口3万3896人(2023年9月30日推計人口)、面積61.2km2、人口密度553.9人/km2の小さな国です。

図1.サンマリノ共和国の位置(イタリア半島の付け根、アドリア海に近い小さな国です)

図2.サンマリノ共和国

面積では世界で5番目に小さな国注1に当たります。

サンマリノは内陸国ですが、その北東端はアドリア海に面するイタリアの都市リミニからわずかに10km離れているだけです。

図3.サンマリノ共和国とアドリア海に面するリミニの街

首都はティターノ山の山頂に位置するサンマリノ市、そして国内最大の市街地は自治体セラヴァッレの北部に位置するドガーナであり、サンマリノ市は2番目の市街地を形成しています。

さて、サンマリノの国名ですが現在のクロアチアのラブ島注2出身の石工、マリノに由来します。紀元275年に生まれたマリノはリブルニア(現在のクロアチア沿岸部)の海賊によって破壊されたリミニの街の城壁再建に参加しています。その後マリノはキリスト教を迫害したローマ皇帝ディオクレティアヌスから逃れ、紀元301年ティターノ山の山頂に隠れ、キリスト教の共同体を設立しました。

サンマリノ共和国はこの301年を建国の年としています。

サンマリノ共和国は1700年続く現存する国家では世界最古の国、そして1631年にローマ教皇によって独立を承認された世界最古の共和国なのです。

日本との意外な関係、サンマリノに神社があった!

サンマリノの外交官でありジャーナリストのマンリオ・カデロ氏注3により、サンマリノ北部のセラヴァッレにヨーロッパではじめて神社本庁が承認した神社が建てられました。ぶどう畑やオリーブの木々に囲まれた地中海ヨーロッパならではの景観の中に鳥居と本殿が佇みます。

2011年の東日本大震災の犠牲者追悼のため、日本サンマリノ友好協会の発案で、2014年6月21日に創建されたものです。

本殿の様式は伊勢神宮と同じ神明造、本殿の一部は伊勢神宮の木を用いて作られました。本殿は日本で建造され、解体され海上輸送、サンマリノで再構築されました。

San Marino Jinja

     サンマリノ神社,ウィキペディア サンマリノ神社より

宮司は創建当初、山形県の湯殿山山腹に鎮座する湯殿山神社で修行したサンマリノ人、フランチェスコ・ブリガンテ氏が任命されましたが、2023年現在はサンマリノ神社のために神職資格を取得した神宮司善基氏が奉職しています。

2019年3月に目黒区の中町東町会が御神輿を寄贈、今年、2023年6月25日にはじめて、お祭りを開催、サンマリノ市庁舎前の石畳を練り歩きました。

注1 国の面積の小さい順にバチカン市国、モナコ公国、ナウル、ツバル、そして5番目にサンマリノ。

注2 ラブ(Rab)島:リミニのアドリア海を挟んだ対岸、クロアチア沿岸部のダルマチア地方に位置する島の一つ。

注3 マンリオ・カデロ:1953年生まれ、1975年に日本に移住し、東京都を拠点としてジャーナリストとして活動、1989年駐日サンマリノ領事に就任。

<参照>

・サンマリノ情報技術・データ統計局 https://www.statistica.sm/pub1/StatisticaSM/

・サンマリノ神社 https://www.sanmarinojinja.com/ja/

・ヨーロッパ唯一の神社・サンマリノ神社で参拝してきた,たびハピ,https://hapitas.jp/tabihapi/22203/

・実はヨーロッパに輸出されている日本の神社|東條英利コラム,Daily News Online https://dailynewsonline.jp/article/897140/

・【開催レポート】イタリア半島の世界文化遺産の街、サンマリノで目黒の町会が寄贈した神輿が、”和っしょい!”の掛け声で、市庁舎前の石畳を練り歩く!,PressWalker https://presswalker.jp/press/17136

・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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