02.09

令和2年国勢調査結果による日本の人口集中地区(2)~北海道オホーツク海側東部、網走市、美幌町、北見市
2020(令和2)年の国勢調査結果に基づき、人口集中地区を地域別に紹介するシリーズの2回目、北海道オホーツク海側東部の人口集中地区を取り上げます。
概要
ここで紹介する人口集中地区は、網走市、網走郡美幌町、北見市Ⅰ、北見市Ⅱの4つの地区、および北見市Ⅰ、北見市Ⅱが構成する北見市の人口集中地区集塊です。
なお、お互いの人口集中地区間の距離が2km以内のものを合わせて、ここでは人口集中地区集塊として定義づけしました。
これらの地区で人口、面積の最大はともに北見市人口集中地区Ⅰ(北見市中心部)の人口7万0200人、面積18.47km2でした。また、人口密度の最大は北見市人口集中地区Ⅱの4121.9人/km2でした。
一方、人口、面積の最小は北見市人口集中地区Ⅱの人口7337人、面積1.78km2、人口密度の最小は網走郡美幌町人口集中地区の2801.1人/km2でした。

図1.北海道オホーツク海側東部の人口集中地区注
表1.人口集中地区とその人口、面積、人口密度(令和2年度国勢調査結果による)
地域名(人口集中地区) | 人口 (人) |
面積 (km2) |
人口密度 (人/km2) |
網走市 人口集中地区 | 23,129 | 7.92 | 2,920.3 |
網走郡美幌町 人口集中地区 | 12,493 | 4.46 | 2,801.1 |
北見市 人口集中地区Ⅰ | 70,200 | 18.47 | 3,800.8 |
北見市 人口集中地区Ⅱ | 7,337 | 1.78 | 4,121.9 |
※表中の最大値を太字、最小値を斜体で示した。
表2.人口集中地区集塊とその人口、面積、人口密度(令和2年度国勢調査結果による)
地域名(人口集中地区集塊) | 人口 (人) |
面積 (km2) |
人口密度 (人/km2) |
北見市 人口集中地区集塊 | 77,537 | 20.25 | 3,829.0 |
網走市 人口集中地区
市街地は網走刑務所付近にはじまり、網走川に沿って河口部へと続き、南側の海岸段丘上の平地へと広がります。夏は晴れの日が多く、その気候やトレーニング環境が評価され、スポーツ合宿の拠点として街の周辺部には各種の競技場が整備されています。

図2.令和2年国勢調査結果による網走市の人口集中地区注
人口集中地区名:網走市 人口集中地区
場所:北海道網走市
人口集中地区の人口:2万3129人 [平成27年:2万7267人]
人口増減数(平成27年との差):-4138人(人口増減率:-15.2%)
人口集中地区の面積:7.92km2 [平成27年:8.91km2]
面積増減数(平成27年との差):-0.99km2(面積増減率:-11.1%)
人口集中地区の人口密度:2920.3人/km2 [平成27年:3060.3人/km2]
人口集中地区の世帯:1万1724世帯 [平成27年:1万3103世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):-1379世帯(世帯数増減率:-10.5%)
最も近い人口集中地区:北海道網走郡美幌町 人口集中地区(直線距離:20.6km(20.62km)・主要道:国道39号・国道240号・国道243号(重複区間)25.9km)

図3.網走市街と流氷の浮かぶオホーツク海、奥は知床半島の根元にそびえる海別岳
網走郡美幌町 人口集中地区
網走市の南西およそ25km、網走川とその支流美幌川の合流点の上流、二つの川に挟まれた河岸段丘及び氾濫原に広がる街です。郊外の美幌峠から臨む屈斜路湖などの壮大な景観は天下の絶景とも呼ばれ、多くの観光客を集めています。
美幌市街地から国道243号線を南南東に向かい車でおよそ30分、美幌峠から日本最大、世界でも屈指の大きさを誇るカルデラ湖、屈斜路湖を望むことが出来ます。

図4.令和2年国勢調査結果による美幌町の人口集中地区注
人口集中地区名:網走郡美幌町 人口集中地区
場所:北海道網走郡美幌町
人口集中地区の人口:1万2493人 [平成27年:1万3273人]
人口増減数(平成27年との差):-780人(人口増減率:-5.9%)
人口集中地区の面積:4.46km2 [平成27年:4.15km2]
面積増減数(平成27年との差):0.31km2(面積増減率:7.5%)
人口集中地区の人口密度:2801.1人/km2 [平成27年:3198.3人/km2]
人口集中地区の世帯:5894世帯 [平成27年:5988世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):-94世帯(世帯数増減率:-1.6%)
最も近い人口集中地区:北海道北見市 人口集中地区Ⅰ(直線距離:13.2km・主要道:国道39号23.0km)

図5.美幌峠から見た屈斜路湖
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図6.屈斜路湖や阿寒湖などへの観光拠点としても利用されるJR美幌駅
北見市 人口集中地区Ⅰ
オホーツク海に注ぐ常呂川とその支流無加川の合流点北側に広がる、オホーツク地域の商工業、サービス業の中核地です。戦前、世界の7割を生産したと言われるハッカで栄え、戦後はたまねぎ栽培に主力が移り、市内の生産量は日本一となっています。

図7.令和2年国勢調査結果による北見市 人口集中地区Ⅰ注
人口集中地区名:北見市 人口集中地区Ⅰ
場所:北海道北見市
人口集中地区の人口:7万0200人 [平成27年:8万0955人*]
人口増減数(平成27年との差):-1万0755人(人口増減率:-13.3%)
人口集中地区の面積:18.47km2 [平成27年:20.17km2*]
面積増減数(平成27年との差):-1.70km2(面積増減率:-8.4%)
人口集中地区の人口密度:3800.8人/km2 [平成27年:4013.6人/km2*]
人口集中地区の世帯:3万6029世帯 [平成27年:3万9762世帯*]
世帯数増減数(平成27年との差):-3733世帯(世帯数増減率:-9.4%)
最も近い人口集中地区:北海道北見市 人口集中地区Ⅱ(直線距離:0.1km・主要道:道道261号0.2km)
*:平成27年国勢調査結果の北見市人口集中地区(令和2年国勢調査結果の北見市人口集中地区Ⅰ、人口集中地区Ⅱに当たる)の値
ここからは、人口集中地区内の名所旧跡を少しだけ紹介したいと思います。
北見市南仲町のハッカ記念館は、1935(昭和10)年に建てられた、現在のホクレンにあたる保証責任北海道信用購買販売組合連合会北見薄荷工場の研究所として建てられた建物です。1983(昭和58)年工場閉鎖、その後北見市に寄贈され1986(昭和61)年に北見ハッカ記念館として開館しました。2007(平成19)年には経済産業省の近代化産業遺産に認定されています。

図8.ハッカ記念館
北見市幸町にあるピアソン記念館は、大正から昭和初期にかけて宣教活動に従事したアメリカ人宣教師ピアソン夫妻の業績を記念して、二人の住んだ私邸を資料館にしたものです。北見市で最も古い洋館として知られており、1995(平成7)年になってやっとアメリカの建築技師ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計により建てられたものであることが判明しました。なお、ヴォーリズは日本で数多くの西洋建築を手がけたことで知られます。ピアソン記念館は、2001(平成13)年に北海道遺産に選定されました。

図9.ピアソン記念館
北6条東1丁目、北見赤十字病院の手前にある小公園では、2020年から「きたみホワイトイルミネーション」が開催されています。今年(2025年)も1月31日までの予定で開催されていましたが、好評につき2月15日(土)まで開催期間が延長されました。

図10.小公園のイルミネーション
北見市 人口集中地区Ⅱ
北見市人口集中地区Ⅰから無加川を隔て南に位置する、常呂川と無加川に挟まれた平地に広がる人口集中地区です。北見工業団地の東側に隣接し、北海道立北見高等技術専門学院をはじめ学校や住居の建ち並ぶ閑静な住宅街を形成しています。

図11.令和2年国勢調査結果による北見市 人口集中地区Ⅱ注
人口集中地区名:北見市 人口集中地区Ⅱ
場所:北海道北見市無加川町(むかがわちょう)・末広町(すえひろちょう)・錦町(にしきちょう)・川沿町(かわぞえちょう)・花園町(はなぞのちょう)・新生町(しんせいちょう)・北央町(ほくおうちょう)・広明町(こうめいちょう)・北光(ほっこう)のそれぞれ一部
人口集中地区の人口:7337人 [平成27年: – ]
人口増減数(平成27年との差): – (人口増減率: – )
人口集中地区の面積:1.78km2 [平成27年: – ]
面積増減数(平成27年との差): – (面積増減率: – )
人口集中地区の人口密度:4121.9人/km2 [平成27年: – ]
人口集中地区の世帯:3107世帯 [平成27年: – ]
世帯数増減数(平成27年との差): – (世帯数増減率: – )
最も近い人口集中地区:北海道北見市 人口集中地区Ⅰ(直線距離:0.1km・主要道:道道261号0.2km)
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図12.北見市 人口集中地区Ⅱの空中写真(国土地理院地図・空中写真閲覧サービス(撮影:2015年7月17日)より作成)
北見市 人口集中地区集塊
北見市人口集中地区Ⅰと北見市人口集中地区Ⅱの2つの人口集中地区からなります。双方は無加川を挟んで直線距離でわずか0.1km、主要道(国道もしくは道道)を通ったとしてもわずか0.2km離れているだけです。2015(平成27)年の国勢調査時には一つの人口集中地区でした。

図13.令和2年国勢調査結果による北見市 人口集中地区集塊注
人口集中地区名:北見市 人口集中地区Ⅰ・Ⅱ
場所:北海道北見市
人口集中地区の人口:7万7537人 [平成27年:8万0955人*]
人口増減数(平成27年との差):-3418人(人口増減率:-4.2% )
人口集中地区の面積:20.25km2 [平成27年:20.17km2*]
面積増減数(平成27年との差):0.08km2(面積増減率:0.4%)
人口集中地区の人口密度:3829.0人/km2 [平成27年:4013.6人/km2* ]
人口集中地区の世帯:3万9136世帯 [平成27年:3万9762世帯*]
世帯数増減数(平成27年との差):-626世帯(世帯数増減率:-1.6% )
最も近い人口集中地区もしくは人口集中地区集塊:北海道網走郡美幌町 人口集中地区(直線距離:0.1km・主要道:道道261号0.2km)
*:平成27年国勢調査結果の北見市 人口集中地区の値

図14.北見市街

図15.北見ヶ丘展望台から見る夜景
注:地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工して作成、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト
<参照>
・政府の総合統計窓口 https://www.e-stat.go.jp/
・網走市HP https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/
・美幌町HP http://www.town.bihoro.hokkaido.jp/
・北見市HP https://www.city.kitami.lg.jp/
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』