2024
10.06

カリブ海の小さな島国セントルシア、国旗に描かれた二つの山、そしてギリシャ神話の絶世の美女ヘレネーとの関係?とは!

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今回のブログは、カリブ海に浮かぶ小さな島国、セントルシアを紹介します。

まずは、国旗の話です。

国旗には2つの三角形が描かれています。何が描かれていると思いますか?

             図1.セントルシアの国旗

これは、世界遺産にも登録されているピトン山を表わしたものです。

       図2.ピトン山、右側がグロスピトン、左側がピティピトン

ピトン山は海岸に隆起した二つの火山からなります。すなわちより鋭角的に立ち上がったピティピトン(標高739m)と少しなだらかなグロスピトン(標高771m)です。

国旗に描かれるほどに、この山はセントルシアを代表する山と言ってよいでしょう。

さて、セントルシアはカリブ海東部に位置する西インド諸島の内、小アンティル諸島のウィンワード諸島に位置する島国です。

               図2.セントルシアの位置

海を隔て、南にはセントビンセントおよびグレナディーン諸島のセントビンセント島、南東にはバルバドス、北にはフランスの海外県マルティニークが位置します。

国土の面積は617km2、2024年7月1日の推計人口は10万0616人、首都で最大の都市は島の北西岸に位置するカストリーズ(都市的地域人口3万5883人、2022年5月12日人口センサス暫定値)です。

この島に最初に定住したのは西暦200~400年頃、アメリカの先住民族アラワク族(現在は、南米ボリビアやペルー、ガイアナ、スリナムおよびアマゾン川下流域などに定住しています)とされていますが、西暦800年頃には同じく先住民族のカリブ族に占領されました。

コロンブスの新大陸発見後、初めてこの地に定住したヨーロッパ人はフランス人であり1660年には先住民であるカリブ族と条約も結んでいます。

その後1663年にはイギリスが支配、イギリスとフランスはこの島の支配権を巡って14回も争い、支配権も頻繁に代わりました。

最終的にはイギリスが、当時のフランス皇帝ナポレオンに勝利した直後の1814年になって、完全な支配権を獲得しました。

さて、島はイギリスとフランスの間で頻繁に支配が入れ替わったため、ギリシャ神話の登場人物であり絶世の美女として知られるヘレネーにちなんで「西のヘレネー」とも呼ばれました。

    図3.ヘレネーとパリスの愛,ジャック=ルイ・ダヴィッド
ここで、ちょっとだけヘレネーについて解説します。

ヘレネーはギリシア神話の主神ゼウスの娘です。

ヘレネーの結婚に際してその美貌が故に多くの求婚者がギリシャ中から集まりました。

ヘレネーの義父テュンダレオースは、求婚者の中の誰を結婚相手に選んでも、それ以外の男たちの恨みを買う恐れがあることを心配し、あらかじめ「誰を選んだとしても、ヘレネの夫が困難な状況に陥った場合には全員が協力して助ける」と言う約束をさせ、後のスパルタ王メネラーオスを夫に選びました。

あるとき、メネラーオスの妻となったヘレネーのもとにイーリオスの王子パリスが訪ねてきます。

パリスは、愛と美と性をつかさどる女神アプロディーテーにそそのかされ、ヘレネーを妻としようとしたのでした。

ヘレネーはパリスに魅了され、娘を捨ててまでイーリオスまでついて行ってしまいます。

さあ、「ヘレネの夫が困難に陥ったときには全員が協力して助ける」ときがきたのです。この約束があったために、メネラーオスらは求婚者仲間たちを集めイーリオスに攻め寄せました。

木馬で有名なトロイア戦争の始まったのです。

ところで、メラネーオスは隠れていた木馬から戦闘に加わり、最後は無事にヘレネーをスパルタに連れ帰ることができました。

その美しさゆえに多くの男たちに求められたヘレネー、そしてイギリスとフランスに何度も奪われ支配されたセントルシア、それほどにも魅力的な島だったのですね。

<参照>

・セントルシアの世界遺産ピトン山,JICA海外協力隊の世界日記 https://world-diary.jica.go.jp/tamuranaoya/life/post_18.php

・トロイア戦争–ゼウスの策略で絶世の美女ヘレネをめぐって英雄たちが大戦争!,ONTOMO https://ontomo-mag.com/article/column/myth06-trojan-war/

・国際連合 2024年、世界将来推計人口 https://population.un.org/wpp/Download/Standard/Population/

・セントルシア中央統計局 https://stats.gov.lc/

・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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