03.30

令和2年国勢調査結果による日本の人口集中地区(5)~北海道旭川市周辺、旭川市、富良野市、滝川市、深川市、美唄市
2020(令和2)年の国勢調査結果に基づき、人口集中地区を地域別に紹介するシリーズの5回目、北海道の中央部、旭川市周辺の人口集中地区を取り上げます。
概要
ここで紹介する人口集中地区は、旭川市、空知郡上富良野町、富良野市、深川市、芦別市、滝川市、砂川市、美唄市の旭川市および帯広市周辺に点在する計8つの地区、および5km以内で近接する滝川市と砂川市で構成する滝川市人口集中地区集塊(近接5km以内)です。
なお、ここではお互いの人口集中地区間の距離が5km以内のものを人口集中地区集塊(近接5km以内)と定義づけています。
個別の人口集中地区で人口、面積、人口密度の最大はともに旭川市人口集中地区の人口30万6545人、面積81.65km2、人口密度3754.4人/km2でした。
一方、人口および人口密度の最小は砂川市人口集中地区の人口5033人、人口密度1747.6人/km2、面積の最小は空知郡上富良野町人口集中地区の2.01km2でした。

図1.北海道太平洋側帯広市周辺の人口集中地区注
表1.人口集中地区とその人口、面積、人口密度(令和2年度国勢調査結果による)
地域名(人口集中地区) | 人口 (人) |
面積 (km2) |
人口密度 (人/km2) |
旭川市 人口集中地区 | 306,545 | 81.65 | 3,754.4 |
空知郡上富良野町 人口集中地区 | 5,542 | 2.01 | 2,757.2 |
富良野市 人口集中地区 | 13,246 | 3.55 | 3,731.3 |
深川市 人口集中地区 | 9,591 | 3.31 | 2,897.6 |
芦別市 人口集中地区 | 5,364 | 2.06 | 2,603.9 |
滝川市 人口集中地区 | 28,615 | 9.74 | 2,937.9 |
砂川市 人口集中地区 | 5,033 | 2.88 | 1,747.6 |
美唄市 人口集中地区 | 9,671 | 3.25 | 2,975.7 |
※表中の最大値を太字、最小値を斜体で示した。
滝川市人口集中地区集塊(近接5km以内)は、5km以内に近接する滝川市人口集中地区、砂川市人口集中地区の2つの人口集中地区からなる地区です。
表2.人口集中地区集塊(近接5km以内)とその人口、面積、人口密度(令和2年度国勢調査結果による)
地域名(人口集中地区集塊) | 人口 (人) |
面積 (km2) |
人口密度 (人/km2) |
滝川市 人口集中地区集塊(近接5km以内) | 33,648 | 12.62 | 2,666.2 |
旭川市 人口集中地区
北海道中央部、上川盆地に位置し中心部を石狩川が流れる街です。冬の寒さは厳しく、日本の気象官署で観測史上最低となる-41度を明治35年に観測しました。平和通買物公園や郊外の旭山動物園など観光地も多く、国際会議観光都市に認定されています。

図2.令和2年国勢調査結果による旭川市人口集中地区注
人口集中地区名:旭川市(あさひかわし) 人口集中地区
場所:北海道旭川市七条通(ななじょうどおり)九丁目ほか旭川市中心部一帯(詳細省略)
人口集中地区の人口:30万6545人 [平成27年:31万3661人]
人口増減数(平成27年との差):-7116人(人口増減率:-2.3%)
人口集中地区の面積:81.65km2 [平成27年:78.96km2]
面積増減数(平成27年との差):2.69km2(面積増減率:3.4%)
人口集中地区の人口密度:3754.4人/km2 [平成27年:3972.4人/km2]
人口集中地区の世帯:14万7697世帯 [平成27年:14万6144世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):1553世帯(世帯数増減率:1.1%)
最も近い人口集中地区:北海道深川市 人口集中地区(直線距離:20.5km・主要道:国道12号/233号(重複区間)-道道57号23.6km)
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図3.旭川市人口集中地区の衛星写真(一般財団法人リモート・センシング技術センターの地球可視化ツール「VEGA」を利用して作図)

図4.旭川市中心部
ここからは、日本初の恒久的歩行者天国として設置された旭川市の平和通買物公園について少しだけ紹介したいと思います。
平和通買物公園は、平和通買物公園は、JR北海道の旭川駅前から八条通まで長さおよそ1kmにわたる歩行者天国です。1972(昭和47)年6月1日に日本初の恒久的歩行者天国として開設されました。それ以前は、交通量の多い幹線道路でしたが歩行者専用の道路としたことから,当時は大きな反響を呼びました。
さて、この平和通りですが、1898年に日清戦争後の国策により陸軍第七師団が現在の旭川市近文に拡張、移転されると、旭川駅前から陸軍第七師団まで通じる道路として当時は師団道と呼ばれていました。鉄道の開設と第七師団の設置によって旭川の人口も1900年以降急速に増加しました。
その後、第二次世界大戦の終戦に伴い第七師団は解体され、師団通の名も平和への願いを込めて平和通と改められたのです。

図5.旭川市平和通買物公園
空知郡上富良野町 人口集中地区
1948(昭和23)年に農作物としてラベンダーの栽培を開始、昭和52年にラベンダー油の買い取りが打ち切られ農産物としての生産は終わりますが、この頃からラベンダー畑が全国に紹介、観光客が街を訪れるようになりました。

図6.令和2年国勢調査結果による空知郡上富良野町人口集中地区注
人口集中地区名:空知郡上富良野町(そらちぐんかみふらのちょう) 人口集中地区
場所:北海道空知郡上富良野町大町(おおまち)ニ丁目ほか上富良野町中心部一帯(詳細省略)
人口集中地区の人口:5542人 [平成27年:6569人]
人口増減数(平成27年との差):-1027人(人口増減率:-15.6%)
人口集中地区の面積:2.01km2 [平成27年:2.18km2]
面積増減数(平成27年との差):-0.17km2(面積増減率:-7.8%)
人口集中地区の人口密度:2757.2人/km2 [平成27年:3013.3人/km2]
人口集中地区の世帯:2221世帯 [平成27年:2650世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):-429世帯(世帯数増減率:-16.2%)
最も近い人口集中地区:北海道富良野市 人口集中地区(直線距離:11.9km・主要道:道道299号-国道237号12.8km)

図7.ラベンダー畑から上富良野町市街を見下ろす
富良野市 人口集中地区
北海道のほぼ中央、富良野盆地を北流する空知川の右岸に広がる街です。1981年から放送されたテレビドラマ「北の国から」で全国的に知られ、周辺地域を含めて多くの観光客が訪れるようになりました。ふらのワインや北海へそ祭りでも有名です。

図8.令和2年国勢調査結果による富良野市人口集中地区注
人口集中地区名:富良野市(ふらのし) 人口集中地区
場所:北海道富良野市弥生町(やよいちょう)ほか富良野市中心部一帯(詳細省略)
人口集中地区の人口:1万3246人 [平成27年:1万4269人]
人口増減数(平成27年との差):-1023人(人口増減率:-7.2%)
人口集中地区の面積:3.55km2 [平成27年:3.74km2]
面積増減数(平成27年との差):-0.19km2(面積増減率:-5.1%)
人口集中地区の人口密度:3731.3人/km2 [平成27年:3815.2人/km2]
人口集中地区の世帯:6331世帯 [平成27年:6537世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):-206世帯(世帯数増減率:-3.2%)
最も近い人口集中地区:北海道空知郡上富良野町 人口集中地区(直線距離:11.9km・主要道:国道237号-道道299号12.8km)

図9.富良野市街
深川市 人口集中地区
石狩平野の最北部を南西に向かって流れる石狩川中流右岸に位置する街です。郊外では米の生産が盛んで、周囲には田園地帯が広がります。明治31年の鉄道開通と同時に駅前を中心に市街地が形成、その後、留萌線が開業し石炭や海産物の流通拠点となって発展しました。

図10.令和2年国勢調査結果による深川市人口集中地区注
人口集中地区名:深川市(ふかがわし) 人口集中地区
場所:北海道深川市二条(2じょう)ほか深川市中心部一帯(詳細省略)
人口集中地区の人口:9591人 [平成27年:1万0508人]
人口増減数(平成27年との差):-917人(人口増減率:-8.7%)
人口集中地区の面積:3.31km2 [平成27年:3.54km2]
面積増減数(平成27年との差):-0.23km2(面積増減率:-6.5%)
人口集中地区の人口密度:2897.6人/km2 [平成27年:2968.4人/km2]
人口集中地区の世帯:4724世帯 [平成27年:5011世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):-287世帯(世帯数増減率:-5.7%)
最も近い人口集中地区:北海道滝川市 人口集中地区(直線距離:16.1km・主要道:道道47号-道道94号-国道12号19.7km)

図11.深川市街の夜景
芦別市 人口集中地区
石狩川支流、空知川の中流左岸、滝川市と富良野市のほぼ中間に位置するかつて石炭産業で栄えた街です。街から星の降る里大橋を渡りすぐそば、芦別を象徴した高さ88mの大観音像は現在、宗教法人の所有となっているようです。

図12.令和2年国勢調査結果による芦別市人口集中地区注
人口集中地区名:芦別市(あしべつし) 人口集中地区
場所:北海道芦別市北一条東(きた1じょうひがし)一丁目ほか芦別市中心部一帯(詳細省略)
人口集中地区の人口:5364人 [平成27年:7136人]
人口増減数(平成27年との差):-1772人(人口増減率:-24.8%)
人口集中地区の面積:2.06km2 [平成27年:2.24km2]
面積増減数(平成27年との差):-0.18km2(面積増減率:-8.0%)
人口集中地区の人口密度:2603.9人/km2 [平成27年:3185.7人/km2]
人口集中地区の世帯:2703世帯 [平成27年:3468世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):-765世帯(世帯数増減率:-22.1%)
最も近い人口集中地区:北海道滝川市 人口集中地区(直線距離:19.1km・主要道:国道38号-道道224号-道道114号-道道224号-3・4・7豊通-道道227号-国道12号23.8km)

図13.赤平市ズリ山展望広場から臨む芦別市街地

図14.芦別市の大観音像
滝川市 人口集中地区
石狩平野北部、石狩川と空知川の合流点北側に広がる街です。市街地南西部に隣接する滝川駅はJR函館本線の駅であり、根室本線の起点でもあります。近年、郊外の石狩川河川敷にグライダー飛行場を建設し、グライダーによる町おこしが行われています。

図15.令和2年国勢調査結果による滝川市人口集中地区注
人口集中地区名:滝川市(たきかわし) 人口集中地区
場所:北海道滝川市大町(おおまち)一丁目ほか滝川市中心部一帯(詳細省略)
人口集中地区の人口:2万8615人 [平成27年:2万8972人]
人口増減数(平成27年との差):-357人(人口増減率:-1.2%)
人口集中地区の面積:9.74km2 [平成27年:10.67km2]
面積増減数(平成27年との差):-0.93km2(面積増減率:-8.7%)
人口集中地区の人口密度:2937.9人/km2 [平成27年:2715.3人/km2]
人口集中地区の世帯:1万3786世帯 [平成27年:1万3545世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):241世帯(世帯数増減率:1.8%)
最も近い人口集中地区:北海道砂川市 人口集中地区(直線距離:3.7km・主要道:国道12号5.8km)

図16.滝川市街、手前は石狩川と滝新橋
砂川市 人口集中地区
石狩川と空知川の合流点の南側、札幌と旭川の間を結ぶ国道12号線沿いに南北に市街地が伸びています。かつては石炭産業で栄えましたが、現在は国道沿いを中心に20店舗ものお菓子屋さんが建ち並び、すながわスイートロードとも呼ばれています。

図17.令和2年国勢調査結果による砂川市人口集中地区注
人口集中地区名:砂川市(すながわし) 人口集中地区
場所:北海道砂川市西七条北(にし7じょうきた)二丁目ほか砂川市中心部一帯(詳細省略)
人口集中地区の人口:5033人 [平成27年:8905人]
人口増減数(平成27年との差):-3872人(人口増減率:-43.5%)
人口集中地区の面積:2.88km2 [平成27年:3.91km2]
面積増減数(平成27年との差):-1.03km2(面積増減率:-26.3%)
人口集中地区の人口密度:1747.6人/km2 [平成27年:2277.5人/km2]
人口集中地区の世帯:2471世帯 [平成27年:4050世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):-1579世帯(世帯数増減率:-39.0%)
最も近い人口集中地区:北海道滝川市 人口集中地区(直線距離:3.7km・主要道:国道12号5.8km)
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図18.砂川市人口集中地区の空中写真(国土地理院地図・空中写真閲覧サービス(撮影:2007年5月28日)より作成)
美唄市 人口集中地区集塊
空知地方中央部、石狩平野東縁に位置し、日本で最も長い直線道路で知られる国道12号線沿いに街が広がります。周辺に残る数多くの探鉱遺産がかつての繁栄を物語っています。鳥のモツを一つの串に刺して焼いた美唄やきとりでも有名です。

図19.令和2年国勢調査結果による美唄市人口集中地区集塊注
人口集中地区名:美唄市(びばいし) 人口集中地区
場所:北海道美唄市西三条南(にし3じょうみなみ)一丁目ほか美唄市中心部一帯(詳細省略)
人口集中地区の人口:9671人 [平成27年:1万0663人]
人口増減数(平成27年との差):-992人(人口増減率:-9.3%)
人口集中地区の面積:3.25km2 [平成27年:3.27km2]
面積増減数(平成27年との差):-0.02km2(面積増減率:-0.6%)
人口集中地区の人口密度:2975.7人/km2 [平成27年:3260.9人/km2]
人口集中地区の世帯:4605世帯 [平成27年:4877世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):-272世帯(世帯数増減率:-5.6%)
最も近い人口集中地区:北海道岩見沢市 人口集中地区(直線距離:11.3km・主要道:国道12号12.3km)

図20.美唄市街の夜景
滝川市 人口集中地区集塊(近接5km以内)
滝川市人口集中地区を中心とし、互いに5km以内で近接する人口集中地区、すなわち滝川市および砂川市の人口集中地区で形成される都市群であり、人口は3万人を超えます。
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図21.令和2年国勢調査結果による滝川市 人口集中地区集塊(近接5km以内)注
人口集中地区名:滝川市 人口集中地区集塊(近接5km以内)
場所:滝川市 人口集中地区、砂川市 人口集中地区
人口集中地区の人口:3万3648人 [平成27年:3万7877人]
人口増減数(平成27年との差):-4229人(人口増減率:-11.2%)
人口集中地区の面積:12.62km2 [平成27年:14.58km2]
面積増減数(平成27年との差):-1.96km2(面積増減率:-13.4%)
人口集中地区の人口密度:2666.2人/km2 [平成27年:2597.9人/km2]
人口集中地区の世帯:1万6257世帯 [平成27年:1万7595世帯]
世帯数増減数(平成27年との差):-1338世帯(世帯数増減率:-7.6%)
最も近い人口集中地区:北海道美唄市 人口集中地区(直線距離:13.6km・主要道:国道12号14.2km)
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図22.滝川市 人口集中地区集塊(近接5km以内)の衛星写真(一般財団法人リモート・センシング技術センターの地球可視化ツール「VEGA」を利用して作図)
注:地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工して作成、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト
<参照>
・政府の総合統計窓口 https://www.e-stat.go.jp/
・旭川市HP https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/
・上富良野町HP https://www.town.kamifurano.hokkaido.jp/
・富良野市HP https://www.city.furano.hokkaido.jp/
・深川市HP https://www.city.fukagawa.lg.jp/
・芦別市HP https://www.city.ashibetsu.hokkaido.jp/
・滝川市HP https://www.city.takikawa.lg.jp/
・砂川市HP https://www.city.sunagawa.hokkaido.jp/
・美唄市HP https://www.city.bibai.hokkaido.jp/
・フリー百科事典『ウィキペディア