氷の島がなぜ緑の島に？

2020
02.22

～グリーンランドの名前の秘密～

グリーンランド、その名前だけ聞いて氷の島を思い浮かべるでしょうか？

もちろん緑豊かな島を思い浮かべますよね。

グリーンランドは、北アメリカ大陸の北東沖に位置する世界で最も面積の広い島です。その面積216万6千km²は日本の面積のおよそ5.7倍に当たりますが、人の住んでいる地域が氷床に覆われていない沿岸部に限られることもあり、人口は 2020年1月1日の推計値でわずか5万0189人、周辺の島々を合わせても5万6081人となっています。

名前の由来は諸説あるようですが、NATIONAL GEOGRAPHIC の記事がとても詳しく、当を得ているようです。

西暦982年の夏に赤毛のエイリークとして知られるバイキングが、はじめて島の南西部に降り立った。この時期、グリーンランドは今よりも温暖だったので、夏は今よりももっと緑にあふれていただろう。バイキングの拠点である古代スカンジナビアでは、ものに見たままの名前を付けるのが一般的だ。エイリークは緑あふれる島を見てグリーンランドと名付けた。

一方で、以下のような伝説があります。

エイリークは、グリーンランドに渡る以前はアイスランドに居を構えていた。エイリークは罪を犯し、国外追放となり、西に新たな土地を求め航海し、島に到着した。魅力的な名前を付ければ、人々がやってきてくれると思いグリーンランドと名付けた。

以上をまとめると、バイキングのエイリークが、当時は今よりも暖かく緑あふれていた島に降り立ち、人々が集まる魅力的な島になるよう、グリーンランドと名付けた、ということが真実に近いのではないでしょうか。

NATIONAL GEOGRAPHICには、次のように記載されています。

「グリーンランドは中世のマーケティング戦略として名付けられたのだ」

なるほど、だからグリーンランドか！って少しは納得していただけましたか？

ちなみに、その後グリーンランドには古代スカンジナビア人が移民してきたようですが、14世紀までにグリーンランドの気温は低下し、彼らはこの地を去らざるを得なくなったようです。

ところで、グリーンランドの人口は、2020年1月1日の推計値で周辺の島々を合わせてわずか5万0189人、周辺の島々を合わせても5万6081人でした。

参照

・フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

・国際連合　人口統計年鑑システム　 https://unstats.un.org/unsd/demographic-social/products/dyb/

・グリーンランド統計局 http://www.stat.gl/