10.22
日本の人口集中地区(その4)~高速道深川留萌道の完成とJR留萌駅の廃止は街にどのような影響をもたらすのか!?カズノコの街、夕陽の街、港町、留萌!
日本の人口集中地区シリーズ、4回目はカズノコの国内最大の加工地、日本でも屈指とばれる夕陽でも有名な北海道留萌市の人口集中地区です。
No.4 留萌市 人口集中地区
北海道北部、日本海に注ぐ留萌川の河口左岸を中心として広がる、重要港湾留萌港を擁する街です。大正期に探鉱の発見とともに隆盛をきわめ、昭和40年には人口4万人を数えました。かつてはニシン漁が盛んで、今でもニシンの魚卵カズノコの国内最大の加工地となっています。
北海道ではじめて本格的なニシン漁が始まったのは、渡島半島の西海岸です。江戸時代初期の元禄年間になって松前の漁民の中により北の蝦夷地へと出稼ぎする人々が出てきます。
時の松前藩は、熊石(渡島半島西部の街)よりも北への出稼ぎを禁止するのですが、それでも出稼ぎは後を絶たなかったようです。
ニシン漁場は徐々に北上、1840(天保11)年になって雄冬岬よりも北への出稼ぎが解禁になると、留萌市周辺にもニシン漁民が入ってくるようになったのです。
留萌に最初に出稼ぎにきた漁民の一人が佐賀家の八代平之丞、1844年に開いた漁場が今も市街地の南西に佐賀家漁場として残ります。
さて、ニシン漁による漁獲高は明治36年のピークを境に徐々に減少、1957(昭和32)年を最後にいったん途絶えてしまいますが、近年徐々に復活してきているようです。
では、そんな中でもカズノコの加工は国内ナンバーワンです。そう、原料となるニシンの卵巣は日本産のものからアメリカやカナダなどからの輸入品へとシフトしながらナンバーワンを維持しているのです。
ところで、黄色いダイヤモンドとも呼ばれるカズノコを黄金色に初めて着色したのも、たらこを赤色に初めて着色したのも留萌市の水産業者、って知っていました?
図1.留萌市の位置
※地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト
図2.令和2年国勢調査結果による留萌市の人口集中地区
※地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト
<留萌市人口集中地区の諸元>
人口集中地区名:留萌市 人口集中地区
場所:北海道留萌市
人口集中地区の人口:1万4870人 /H27:1万7257人(-2387人)
人口集中地区の面積:5.06km2 /H27:5.64km2(-0.58km2)
人口集中地区の人口密度:2938.7人/km2 /H27:3059.8人/km2
人口集中地区の世帯:7441世帯 /H27:8297世帯(-856世帯)
最も近い人口集中地区:北海道深川市 人口集中地区(直線距離36.1km・国道233号(高速道の利用なし)45.0km)
<前回調査(2015(平成27)年)との比較>
面積の平成27年との差は-0.58km2、およそ10%縮小、人口は-2387人、およそ14%減少しました。
地区としては、市街地北部の元町5丁目、および春日町1丁目に該当する地区が、人口集中地区から外れています。
ここで掲載している地図には載っていますが、JR留萌本線の留萌~石狩沼田間が終点の留萌駅とともに廃止されました。今現在、国土地理院の電子地図を見ても、JR留萌本線、留萌駅を見ることはできません。
これに先立つ令和2年3月、高速道路の深川留萌道が完成しました。
鉄道の廃止と高速道路の完成が人口減少の続く留萌市街地にどのような影響をあたえるのか、市の活性化対策も含め、今後も目が離せません。
図3.令和2年と前回調査(平成27年)の人口集中地区の比較
<参照>
・政府の総合統計窓口 https://www.e-stat.go.jp/
・【留萌の観光】夕陽に海の幸!港町、留萌の楽しみ方教えます♪,北海道ラボ https://hokkaido-labo.com/area/douhoku/rumoi-sightseeing
・留萌のニシン漁と佐賀家漁場,北海道留萌市 https://www.e-rumoi.jp/