06.21
パリ、城壁に囲まれた町、空から見ると何に見える?
フランスの首都、パリ(Paris)。
その名は、Parisii(パリシイ族)に由来します。
紀元前52年のシーザーの遠征記に、パリシイ族の沼沢地(Lutetia Parisiorum)と記されています。
パリシイ族はケルト系部族で、単数形のParisiusは、田舎者、乱暴者の意味だそうです。
さて、「首都」としてのパリは、西暦508年にメロヴィング朝フランク王国の首都となったのが初めてです。
その後、一地方都市に過ぎない時代もあり、現在のパリにつながる首都となるには、1594年のブルボン朝フランス王国の時代まで、およそ1100年の時を待たなければなりませんでした。
パリは、1841年から1844年に建設されたティエールの城壁に囲まれていました。
現在は、その跡に環状高速道路が形成され、その内側の面積は86.99km2、東京都の山手線の内側の面積63km2のおよそ1.4倍になります。
地図を貼り付けましたが、パリの市域は左を向いた鯛のような形をしています。
ちょうど頭の部分が、ブローニュの森、尻尾がヴァンセンヌの森にあたります。
パリの市域の人口は、2015年のセンサス結果によると2,206,488人、都市圏人口は10,706,072人でした。
1946年のセンサスでは、市域人口は2,725,374人、都市圏人口は4,775,711人です。
市域人口はむしろ50万人ほど減っているものの、都市圏人口は2倍以上に増えています。もちろん、都市的地域が、周辺に拡大していっていることも影響しています。
2020年版のDemographia World Urban Areasによると、2020年のパリの都市圏人口の推計値は11,020千人、世界で33位、ヨーロッパでは、モスクワに次いで2位でした。
ところで、貼り付けている地図は、パリの都市圏をカバーするつもりで作っています。
完全版になるまで、しばらくお待ちください。
ピンクで塗った地域が住宅密集地、緑色が森林や公園、茶色の線がパリ市及び県の境界、黄色の線が主要道路、青の線が水域(主としてセーヌ川)を示します。
青いセーヌ川のそばの塔型の印は、エッフェル塔です。
<参照>
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
・牧英夫編著,世界地名ルーツ辞典,創拓社,1990
・辻原康夫編著,世界地名情報辞典,東京書籍,2003
・Demographia, 2020.04, Demographia World Urban Areas 16th Annual Edition, http://www.demographia.com/
・国際連合 人口統計年鑑システム https://unstats.un.org/unsd/demographic-social/products/dyb/