02.11
こんなところにラテン語が!〜現在人口と常住人口〜
現在人口と常住人口の違いを知っていますか?
Wikipediaによると、
現在人口とは「ある調査の時刻に、調査の地域に実際に存在している場所(現在地)で調査する方法で把握した人口」
常住人口とは「ある調査の時刻に、調査の地域に常住している場所(常住地)で調査する方法で把握した人口」
とされています。
何が違うかわかりますか?
定義をそのまま解釈すると、もし、ある日、世界で一斉に人口調査を行うことができたとして、調査の日時に旅行をしていたとしたら、旅行先の人口に数えられるのが現在人口、そうではなく普段住んでいる地域の人口として数えられるのが常住人口となります。
常住人口は、あなたの住所はどこですか?の質問の回答と考えてほぼ間違いはないかと思いますが、さて、現在人口を調べるのって難しいと思いませんか?
10月1日の午前0時にあなたはどこにいましたか?と聞かれて、車で移動中、電車や飛行機で移動中、ましてや移動に時間のかかる船で移動中だったら何て答えて良いか困ると思いませんか。
日本の国勢調査は、現在では常住人口で調査が行われていますが、昭和22年までは現在人口で調査されていました。
調査の定義は、年によって変わっていますが、昭和22年の国勢調査においては、一般の外国人はもとより、外交使節団等の構成員も含めたすべてを調査し、また、 調査時前に日本を出港し,途中寄港しないで調査時後2日以内に日本に入港した船舶の乗組員も、調査時に入港地にいた、とみなしています。
何がしかの定義づけをしないと、現在人口は求められそうにないですよね。国によっても定義は異なっているみたいです。
ところで、現在人口は英語で「de facto population」、常住人口は「de jure population」と表記されます。de facto、de jure ってちょっと英語らしからぬ単語ですよね。
なぜなら、ラテン語表現に由来しているからです。
では、本来の意味はなんでしょう。辞書などには、下記のような訳が載っています。
de facto:事実上の
de jure:法律上の
これらの単語は、日本語に訳すと「法律上では、〜だが、事実は(慣習では)、〜だ」などのような表現に、活用される様です。
現在人口は事実上の人口、常住人口は法律上の人口と書くと、なるほどと思いませんか。
参考
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
・総務省統計局HP http://www.stat.go.jp/data/