07.24
ナミビア、14の州をたどってみた(その2)、そしてナミブ砂漠はピンクから鮮やかなオレンジへと色合いは変化し、その壮大な景観に目を奪われる!
前回、ナミビアの14の州の半分、7つの州についてその特徴をまとめました。
今回はその後半です。
また、本ブログの最後には、沿岸部の各州にわたって広がるナミブ砂漠についても概説しました。
州別の特徴(後半)
ナミビアの14の州、今回紹介する州は8.ザンベジ州、9.エロンゴ州、10.オチョソンデュパ州、11.オマヘケ州、12.ホマス州、13.ハルダプ州、14.カラス州の7つの州、ウィキペディア ナミビアより
8.ザンベジ州(Zambezi)
ザンベジ州
面積:14,785km2
人口:90,596人
主要都市:Katima Mulilo[カティマ・ムリロ]:28,362人
特徴:州の北西をアンゴラ、北東をザンビア、南をボツワナに接し、東西に細長く延びるカプリビ回廊の東部に位置します。12月から3月にかけて雨期があり、ナミビア国内で最も雨が多く、地域のほとんどが、湿地や氾濫原、森林であり、Bwabwata国立公園、Nkasa Rupara(ナーサ・ルパーラ)国立公園、Mudumu国立公園は野生動物の宝庫となっています。
9.エロンゴ州(Erongo)
エロンゴ州
面積:63,539km2
人口:150,809人
主要都市:Walvis Bay[ウォルビス・ベイ](62,096人),Swakopmund[スワコプムント](44,725人),Omaruru[オマルル](6,300人),Arandis[アランディス](5,170人),Karibib[カリビブ](5,132人),Henties Bay(4,720人),Usakos[ウサコス](3,583人),Uis[ウイス](1,495人),Okombahe(1,093人)
特徴:ナミビア第2の都市ウォルビス・ベイは、ナミビア唯一の深海港であり、水産業の拠点です。ウォルビス・ベイやスワコプムントなどの主要都市は、舗装された道路で結ばれています。
ウォルビスベイと港,ウィキペディア ウォルビスベイより
10.オチョソンデュパ州(Otjozondjupa)
オチョソンデュパ州
面積:105,460km2
人口:143,903人
主要都市:Otjiwarongo[オチワロンゴ](28,249人),Okahandja[オカハンジャ](22,639人),Grootfontein[グルートフォンテイン](16,302人),Otavi[オタビ](5,242人),Osire[オッシール](5,013人),Okakarara(4,709人),Tsumkwe(1,404人),Kalkfeld(1,398人),Okandjatu(1,170人)
特徴:オチワロンゴ、グルートフォンテイン、オタビ、オカハンジャは鉄道と南北に走る主要な幹線道路で結ばれています。オカハンジャとオチワロンゴは牧畜業で知られ、オタビ、グルートフォンテイン、オチワロンゴの各地区はナミビアの穀倉地帯となっています。グルートフォンテインの西24kmには地球上で確認されている最大の隕石、重さ60トンを超えるHoba(ホバ)隕石があります。
ホバ隕石,ウィキペディア ホバ隕石より
11.オマヘケ州(Omaheke)
オマヘケ州
面積:84,981km2
人口:71,233人
主要都市:Gobabis[ゴバビス](19,101人),Otjinene(2,102人),Witvlei(1,768人),Leonardville(1,191人)
特徴:カラハリ砂漠の西端部にあたります。州都ゴバビスと首都ウィントフックは舗装された国道で結ばれています。この地域の農業のほとんどは牧畜業を営んでいます。また、主に6月から8月にかけての冬の期間に行われる狩猟は、この地域の主要な収入源となっています。
12.ホマス州(Khomas)
ホマス州
面積:36,964km2
人口:342,141人
主要都市:Windhoek[ウィントフック](325,858人),Groot Aub(2,913人)
特徴:ナミビアの首都で最大都市のウィントフックが位置する最も人口の多い州です。人口のほとんどがウィントフックに居住しています。
ウィントフックの町並,ウィキペディア ウィントフックより
13.ハルダプ州(Hardap)
ハルダプ州
面積:109,781km2
人口:79,507人
主要都市:Rehoboth[レホーボス](28,843人),Mariental[マリエンタール](12,478人),Aranos(3,683人),Gibeon[ギベオン](2,631人),Maltahöhe[マルタヘーエ](2,379人),Stampriet[スタンプリート](1,947人),Hoachanas(1,349人),Kalkrand(1,238人),Gochas[ゴチャス](1,163人)
特徴:西の大西洋から東のボツワナ、南アフリカとの国境まで東西に広がる州です。この地域はインフラが十分整備され、道路網が発達しています。
14.カラス州(!Karas注)
カラス州
面積:161,514km2
人口:77,421人
主要都市:Keetmanshoop[ケートマンスフープ](19,447人),Lüderitz[リューデリッツ](12,537人),Rosh Pinar(5,518人),Aussenkehr(4,522人),Karasburg[カラスバーグ](4,401人),Oranjemund[オラニェムント](3,908人),Noordoewer(2,026人),Aroab[アロアブ](1,660人),Aus(1,066人),Bethanie[ベサニー](1,748人),Koës[コーズ](1,530人),Tses[ツェス](1,365人)
特徴:港町リューデリッツの漁業と造船業、オラニェムントのダイヤモンド産業などが主要産業となっています。アイアイ(Ai-Ais)やWarmbadの温泉やケートマンスフープに近いQuiver Tree Forest(震える木の森)、世界で2番目に大きい峡谷といわれるFish River Canyonなど観光地も多く、観光産業の発展が期待されています。
アイアイ温泉,ウィキペディア アイアイ温泉より
Quiver Tree Forest(震える木の森) ,ウィキペディア Quiver Tree Forestより
Fish River Canyon,ウィキペディア Fish River Canyonより
世界最古の砂漠、ナミブ砂漠
ナミビアの14の州について、概説してきましたが、ナミビアの国名の由来ともなったナミブ砂漠については、解説がまだでした。
ナミブ砂漠はナミビアの海岸に沿って南北にのびる砂漠です。およそ8千万年前に生まれた世界最古の砂漠と言われています。
ナミブ砂漠は典型的な西岸砂漠、または海岸砂漠とも呼ばれ、沖合を寒流が流れる大陸西岸の海岸部に形作られる砂漠です。その生成の原因のひとつとして、冷たい海流の影響で大気下層部が冷やされ、雨雲の発生する上昇気流が発生しずらいことがあげられます。一方で暖かい空気が寒流によって冷やされ発生した霧が、砂漠に侵入してくることがしばしばあり、砂漠の動植物たちに貴重な水分を供給しています。
ナミブ砂漠と海,ウィキペディア Namibより
また、ナミブ砂漠の砂の供給元はナミビアの南の国、南アフリカ共和国の南東部に海岸線に平行に連なるドラケンスバーグ山脈と言われています。この山脈に源を発し、ナミビアと南アフリカ共和国の国境を流れるオレンジ川によって海へと運ばれた砂は、沿岸部に吹き付ける偏西風の強風によって内陸部へと押し返され、ナミブ砂漠がかたちづくられました。
砂が運ばれる過程で、鉄分が次第に付着し、鉄が酸化することによって、ナミブ砂漠の砂は赤みを帯びています。
特に、ナミブ=ナウクルフト国立公園を流れるクイセブ川とリューデリッツまでの間に広がる砂漠地帯は、ピンクから鮮やかなオレンジ色の様々な色合いを呈し、壮大な砂丘の景観を見せ、人々を楽しませてくれます。
ナミブの壮観な砂丘、ソッサスフレイとデッドフレイ,ウィキペディア Namibより
ナミブ=ナウクルフト国立公園に含まれる砂漠地帯は、卓越した自然現象や、卓越した自然美や美的重要性を持つ地域を含むことなど、4つの登録基準をクリアし、2013年に世界遺産に登録されました。
ナミブ=ナウクルフト国立公園
注 !Karas:州名先頭の!は歯茎側面吸着音と呼ばれる子音を表す。
<参照>
・ナミビア統計局 https://nsa.org.na/
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』