06.13
大阪市広域人口集中地区の人口はおよそ1000万人、山々と川に囲まれたその地域境界部の特徴とは?
前回のブログで東京都広域人口集中地区として、東京都特別23区から関東地方に広がる人口集中地区について、まとめました。
今回は、人口で第2位となる大阪を中心として広がる人口集中地区についての記事です。
さて、この人口集中地区をどのような名称で呼ぶべきか。
近畿地方とすると連続的な地域は大阪に加え兵庫県、京都府の一部に限られます。
当初は京都市や神戸市の全域を含むものかと想像していましたが、以外とコンパクトでした。
ここでは仮に大阪市広域人口集中地区としておきましょう。
総務省統計局の名称では「連合」が用いられていますが、広域の方がしっくりくるような気がします。
さて、2020年(令和2年)の国勢調査結果によると、
人口:1063万6750人
面積:1147.86km2 ※含まれる人口集中地区の面積を単純合計
人口密度:9266.6人/km2 ※上記人口と面積より求めた値
という結果となりました。
人口、面積ともに東京都広域人口集中地区のおよそ3分の1の規模となっています。
大阪市広域人口集中地区、いわゆる大阪市から連続的につながる人口集中地区をオレンジで塗りつぶした(地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)
境界部にみるその特徴
それでは、東京都広域人口集中地区と同様に、大阪市広域人口集中地区についてもその特徴をみていきましょう。
【北東端】
人口集中地区の北東端は京都府の八幡市です。八幡市は、合流して淀川となる木津川、宇治川、桂川の合流点でもあります。
京都府内の人口集中地区は、八幡市の2地区、京田辺市の1地区の合計3つの人口集中地区が含まれるのみです。
とはいえ、淀川を隔てておよそ600mの先には、大阪府三島郡島本町、および高槻市の人口集中地区が広がり、これらの地区は京都市へと連続的に続いているのです。
いわば、淀川、および木津川、宇治川、桂川が大阪市と京都市の広域人口集中地区を隔ててしまっているのです。
桜の時期の淀川三川(木津川、宇治川、桂川)合流点付近
【東部】
大阪市広域人口集中地区の東縁は、北の生駒山地から南の金剛山地にかけて、山並みが続きます。これらの山が、人口集中地区の拡大を阻んでいるのです。
生駒山地、金剛山地のさらに東、大阪市広域人口集中地区の東縁からおよそ2.6~3km東には、奈良県の人口集中地区が散らばっています。
大阪城天守から臨む生駒山地
【南端部】
人口集中地区の南端は、泉南郡田尻町のようにみえます。実際に市街地は、その南の泉南市と樫井川を挟んでおよそ300m離れています。
ところが、田尻町と泉南市の人口集中地区は、海上の関西国際空港で接しているため、隣接しているものと見なし、ここでは泉南市からさらに南に連続した阪南市の人口集中地区を以て、大阪市広域人口集中地区の南端としました。
大阪市から続く平野は、南に行くほど狭隘となり、その南には和歌山県との境を成す和泉山脈が迫っています。
【西端部】
人口集中地区の西端部は、兵庫県神戸市須磨区一ノ谷町です。
もうおわかりですね。
源平合戦の主戦場の一つ、一ノ谷にほど近い街です。
源義経が仕掛けた奇襲、鵯越(ひよどりごえ)の逆落としで知られるように、この地域は山並みが海に迫り、同じ須磨区の市街地高倉台や垂水区の市街地と分かれています。
大阪市広域人口集中地区は、地形によって平面的な広がりが抑制され、分断されています。この傾向は、東京よりもむしろ顕著であり、特に東縁部、南部、西部においてはすでにさらに広がっていく余裕はないように見受けられます。
<参照>
・政府の総合統計窓口 https://www.e-stat.go.jp/