10.15
日本の人口集中地区(その3)~士別市、駅周辺で市街地縮小、立ち並ぶ歴史ある倉庫群の活用が活性化の鍵になるか!?
日本の人口集中地区シリーズ、3回目は煉瓦造りや石造りの倉庫が建ち並び、サフォーク種の羊でも有名な北海道士別市の人口集中地区です。
No.3 士別市 人口集中地区
名寄盆地南部、天塩川と剣淵川の合流点の南側に広がる街です。農業集散地として発展、士別駅付近では今でも使用される多数のレンガ造りの農業倉庫をみることができます。市として羊の牧畜に力を入れ、郊外ではサフォーク種を中心に多くの羊が飼育されています。
地域の中心であった士別駅は明治33年に落成、明治36年には近傍の市街地名寄へと鉄道がつながります。
そして明治43年に名寄市に煉瓦工場ができ、その後名寄から運ばれた煉瓦によって、士別駅周辺に倉庫が徐々に建てられていきました。
今でも農業倉庫として利用されているものも多数あるようですが、すでに利用されなくなったものも。
そんな中、士別市の地域事業会社、株式会社志BETSホールディングスが駅近くの石造りの農業倉庫を改装、醸造所「士別サムライブルワリー」を開設し、令和4年4月になって一般向けクラフトビールの販売を開始しました。
麦芽とホップこそ海外産ですが、仕込み水は天塩川源流の水、ハトムギは地元産を使用しています。
そして、醸造の過程で出る麦芽の殻は、本来は廃棄するものですが、士別市の特産である羊の餌として、市内の農場へ提供されているそうです。
図1.士別市の位置
※地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト
図2.令和2年国勢調査結果による士別市の人口集中地区
※地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト
<士別市人口集中地区の諸元>
人口集中地区名:士別市 人口集中地区
場所:北海道士別市
人口集中地区の人口:1万0468人 /H27:1万1647人(-1179人)
人口集中地区の面積:3.65km2 /H27:3.59km2(+0.06km2)
人口集中地区の人口密度:2867.9人/km2 /H27:3244.3人/km2
人口集中地区の世帯:4877世帯 /H27:5151世帯(-274世帯)
最も近い人口集中地区:北海道名寄市 人口集中地区(直線距離16.7km・国道40号18.4km)
<前回調査(2015(平成27)年)との比較>
面積の平成27年との差は+0.06km2、およそ2%拡大、人口は-1179人、およそ10%減少しました。
地区としては、士別駅の南東側で人口集中地区が縮小、市街地南端の国道沿いで拡大しています。
駅の南東側は、倉庫群の立ち並ぶ地区に該当します。
一方の南端の国道沿いはロードサイド店舗の立ち並ぶ地区であり、駅周辺で過疎化が進み、街の繁華な地区は国道沿いへと移っていっていることがわかります。
街の中心であった士別駅周辺部の活性化は、士別サムライブルワリーをはじめとした倉庫群の再生にかかっているとも言えそうです。
図3.令和2年と前回調査(平成27年)の人口集中地区の比較
<参照>
・政府の総合統計窓口 https://www.e-stat.go.jp/
・士別市天塩川の源流水と地場産の農産物を使ったクラフトビール誕生!!,北海道農政事務所Webサイト https://www.maff.go.jp/hokkaido/asahikawa/photorepo/SIBETUBURUWARI.html
・士別サムライブルワリー,Beer Cruise https://beer-cruise.net/beer/220421.html