06.09
令和7年国勢調査速報値を解説(その1)~自然減が想定以上のスピードで拡大!?
先日、2026(令和8)年5月31日に、令和7年国勢調査の速報値が総務省から公開されました。
概要はニュースでも伝えましたが、今回からブログでもう少し詳しく解説していきたいと思います。
今年秋には、確定値が公開されますが、この解説シリーズでは調査結果の外観を概ね捉えていければ、と考えています。
それでは、まず第1回目として日本の総人口と人口増減数、人口増減率の経過について見ていきます。
令和7年国勢調査速報値による日本の総人口、人口増減数、人口増減率の経過
表1は、調査開始以降の国勢調査による総人口、男女別人口、人口増減数、人口増減率、図1は日本の総人口の経過図、図2は人口増減数、人口増減率の経過図です。
昭和20年は沖縄県では調査が行われなかったため、昭和25年以降の人口経過について見ていきます。
国勢調査の開始以来、戦時中を除き人口増加傾向が続き、2010(平成22)年には人口のピーク、1億2805万7352人に達しました。
これ以降は、人口が減少に転じます。
2015(平成27)年の人口は、昭和30年以降ではじめて国勢調査における人口が、前回調査時の人口を下回った年でした。
前回調査時と比較した人口増減数は-96万2607人、100万人近くの人口が減少しました。
次の2020(令和2)年調査での人口増減数は-94万8646人、人口増減数は2015年調査とほぼ同じ結果となりました。
そして、今回の2025(令和7)年国勢調査の人口(速報値)は1億2304万9524人、2015年、2020年調査と比較しておよそ3倍、309万6575人の減少となりました。
表1. 国勢調査結果による総人口、男女別人口、人口増減数、人口増減率
| 西(和)歴 | 総人口 | 男性 | 女性 | 人口増減数 | 人口増減率 | 備考 |
| 1920(大正9)年 | 55,963,053 | 28,044,185 | 27,918,868 | – | – | |
| 1925(大正14)年 | 59,736,822 | 30,013,109 | 29,723,713 | 3,773,769 | 6.74332 | |
| 1930(昭和5)年 | 64,450,005 | 32,390,155 | 32,059,850 | 4,713,183 | 7.88991 | |
| 1935(昭和10)年 | 69,254,148 | 34,734,133 | 34,520,015 | 4,804,143 | 7.45406 | |
| 1940(昭和15)年 | 73,114,308 | 36,566,010 | 36,548,298 | 3,860,160 | 5.57390 | |
| 1945(昭和20)年 | 71,998,104 | 33,894,059 | 38,104,045 | – | – | 調査が行われていない沖縄県を除く |
| 1950(昭和25)年 | 84,114,574 | 41,241,192 | 42,873,382 | – | – | |
| 1955(昭和30)年 | 90,076,594 | 44,242,657 | 45,833,937 | 5,962,020 | 7.08798 | |
| 1960(昭和35)年 | 94,301,623 | 46,300,445 | 48,001,178 | 4,225,029 | 4.69048 | |
| 1965(昭和40)年 | 99,209,137 | 48,692,138 | 50,516,999 | 4,907,514 | 5.20406 | |
| 1970(昭和45)年 | 104,665,171 | 51,369,177 | 53,295,994 | 5,456,034 | 5.49953 | |
| 1975(昭和50)年 | 111,939,643 | 55,090,673 | 56,848,970 | 7,274,472 | 6.95023 | |
| 1980(昭和55)年 | 117,060,396 | 57,593,769 | 59,466,627 | 5,120,753 | 4.57457 | |
| 1985(昭和60)年 | 121,048,923 | 59,497,316 | 61,551,607 | 3,988,527 | 3.40724 | |
| 1990(平成2)年 | 123,611,167 | 60,696,724 | 62,914,443 | 2,562,244 | 2.11670 | |
| 1995(平成7)年 | 125,570,246 | 61,574,398 | 63,995,848 | 1,959,079 | 1.58487 | |
| 2000(平成12)年 | 126,925,843 | 62,110,764 | 64,815,079 | 1,355,597 | 1.07955 | |
| 2005(平成17)年 | 127,767,994 | 62,348,977 | 65,419,017 | 842,151 | 0.66350 | |
| 2010(平成22)年 | 128,057,352 | 62,327,737 | 65,729,615 | 289,358 | 0.22647 | |
| 2015(平成27)年 | 127,094,745 | 61,841,738 | 65,253,007 | -962,607 | -0.75170 | |
| 2020(令和2)年 | 126,146,099 | 61,349,581 | 64,796,518 | -948,646 | -0.74641 | |
| 2025(平成7)年 | 123,049,524 | 59,778,826 | 63,270,698 | -3,096,575 | -2.45475 | 速報値 |

図1. 日本の総人口の経過(昭和25年以降)

図2. 日本の総人口における人口増減数と人口増減率の経過(昭和30年以降)
それでは、2020年代に入ってからの人口減少の急加速の要因についてみていきましょう。
自然減が想定以上のスピードで拡大
もともと日本は少子化(出生数減)と高齢化(死亡数増)注1により人口が減少していました。
出生数から死亡数を引いた自然減が年々拡大し、2020年代に入って急激に悪化したのです。
人口はそれまでの緩やかな減少から明確な急減局面へと変化したようです。
コロナ禍の影響
また、2020年代初頭のコロナ禍の影響も見逃せません。
コロナ禍で死亡数は直接的、間接的注2に増加します。
結婚控えや妊娠控えによって出生数も急落しました。
つまりは人が多く亡くなり、子供は生まれにくくなりました。
出生数減少の構造的な底割れ
コロナだけではなく、もっと深い変化もあります。
・出産世代そのものが減っている
・未婚化・晩婚化がさらに進行している
・経済不安や価値観の変化が固定化している
これらの結果、出生数は一時的ではなく、戻らない水準まで落ち込んだとされます。
これは、一時的な変化ではなく、少子化が新しい段階に入ったことを意味します。
高齢化が臨界点に到達
人口構造の問題も強く影響しています。
人口の多い団塊世代が後期高齢者になり、死亡数が増えやすい段階に入っています。
そして高齢者比率が高いために、死亡増が避けられない構造になっているのです。
その結果として自然減が加速度的に拡大しているのです。
最後に
今回の国勢調査では、日本の総人口が今までに無いペースで人口減少が進んでいることが明らかになりました。
もともと人口が減る構造だったところに、コロナで一気にペースが上がり、その後も元に戻っていない状況にあり、人口減少が加速度的に進んでいるのです。
この流れは、今後どうなるのでしょうか。
今後の日本の人口については、また別の機会に解説したいと思います。
次回は日本の都道府県別の人口について見ていきたいと思います。
注1 人は当然ながら年齢が上がるほど死亡する確率が高くなります。高齢化(高齢者が多い社会)により、死亡しやすい年齢層が社会の中で大きな比率を占めることとなり、その結果死亡数が増加します。
注2 新型コロナそのものに感染して亡くなるのではなく、社会や医療の変化によって結果的に死亡が増えることを意味します。具体的には、受診控えによる手術や治療の延期、医療の逼迫により必要な入院ができない、コロナ対策により外出を自粛することによる運動不足や食生活の乱れ、社会活動の低下などに起因してコロナ以外でも死亡者数が増えたとされます。
<参照>
・総務省統計局. (2026). 令和7年国勢調査 調査結果(人口速報集計).
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2025/kekka.html
・総務省. (2026). 令和7年国勢調査 人口速報集計結果(報道資料).
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei03_01000140.html
・Japan Today. (2026, May 29). Japan’s population marks sharpest drop to 123 million.
https://japantoday.com/category/national/update1-japan’s-population-marks-sharpest-drop-to-123-mil.-in-2025-census
・Encyclopaedia Britannica. (n.d.). Why is Japan’s population decreasing?
https://www.britannica.com/topic/Why-Is-Japans-Population-Decreasing
・厚生労働省. (n.d.). 我が国の人口について.
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21481.html
・内閣府. (n.d.). どうして日本では少子化が深刻化しているのですか.
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s3_1_2.html
・Nippon.com. (2025, July 21). 日本の人口減少ペースはなぜ加速したのか.
https://nippon.jp/japan-population-decline-accelerates/


