2022
03.06

ペルーを形作る三つの地域!砂漠の平地コスタ、アマゾンの熱帯雨林セルバ、そしてインカを育んだシエラ

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南米のペルー、正式名称ペルー共和国(República del Perú)は、南アメリカ大陸西部に位置する共和制国家です。

ペルー

2017年10月22日に行われた人口センサスによるとペルーの人口は3123万7385人、2020年7月1日現在の国連推計値によると3297万1846人、2019年の国連の将来推計人口では2021年7月1日の人口は3335万9416人となっており、この値は日本のおよそ1/4に相当します。

一方、面積は128万5216km2、日本のおよそ3倍です。人口密度を求めると26人/km2となり、北海道の人口密度66.6人/km2(2020年10月1日)の半分以下となっています。

ペルーの主要都市とその人口は下表の通りです。

都市 都市名(スペイン語)

人口

(1993年7月11日)

人口

(2017年10月22日)

備考
リマ Lima 634万5856人 1020万1285人 首都
アレキパ Arequipa 62万9064人 105万0849人 アレキパ州の州都
トルヒーリョ Trujillo 53万7458人 90万8209人 ラ・リベルタ州
チクラーヨ Chiclayo 39万3418人 62万4246人 ランバイエケ州の州都
ピウラ Piura 27万2231人 47万7605人 ピウラ州の州都
クスコ Cusco 25万5568人 45万7398人 クスコ州の州都
ワンカヨ Huancayo 27万9836人 42万0306人 フニン州
イキトス Iquitos 27万4759人 40万4545人 ロレート州の州都
チンボテ Chimbote 29万1408人 36万6160人 アンカシュ州
プカルパ Pucallpa 17万2286人 35万3891人 ウカヤリ州
タクナ Tacna 17万4336人 30万0963人 タクナ州
イカ Ica 16万1501人 28万4981人 イカ州の州都
フリアカ Juliaca 14万2576人 28万3872人 プーノ州
アヤクーチョ Ayacucho 10万5918人 21万8777人 アヤクーチョ州の州都
カハマルカ Cajamarca 9万2447人 21万0586人 カハマルカ州の州都
ワヌコ Huánuco 11万8814人 20万3809人 ワヌコ州の州都
スヤナ Sullana 14万9147人 19万4025人 スヤナ州の州都
チンチャアルタ Chincha Alta 11万2161人 19万3450人 チンチャ州の州都
ワチョ Huacho 10万4345人 16万7824人 ワウラ州の州都
タラポト Tarapoto 7万7783人 15万1743人 サンマルティン州
プーノ Puno 9万1467人 13万3199人 プーノ州の州都
ワラス Huaraz 6万7538人 12万0928人 アンカシュ州
トゥンベス Tumbes 7万2616人 10万1490人 トゥンベス州の州都

ペルーの主要都市

首都リマは1535年にインカ帝国を征服したスペインのコンキスタドール(征服者)、フランシスコ・ピサロによって建設された古い街ですが、現在の人口は、ペルーの人口のおよそ1/3を占めています。

1993年の人口センサスの結果と比較すると、ペルーの人口は2204万8356人から1.4倍に増えたのに対し、リマの人口は1.6倍に増えました。

人口で第2の都市アレキパ、第3の都市トルヒーリョでも1993年と比較するとそれぞれ1.7倍に増えており、首都に限らず地方の都市部でも人口の増加が目立ちます。

ペルーの3つの地域

ペルーの国土はその特徴から3つに分けられます。

すなわち、砂漠が広がっている沿岸部のコスタ、アンデス山脈の峰々が連なる高地のシエラ、東部のアマゾン川流域に当たる熱帯雨林のセルバです。

Peru veg 1970

黄色がコスタ、茶色がシエラ、緑色がセルバに該当(ウィキペディア ペルーより)

<コスタ>

太平洋沿岸部から標高500mまでの狭い地域を指し、この地域にペルーの人口の半数以上が暮らしています。砂漠ですが沿岸を流れる冷たいフンボルト海流の影響で、緯度の割には過ごしやすい地域です。海流の影響で発生する霧が多い地域でもあります。アンデスから流れる50以上の河川やオアシスの周囲に古代文明が栄えてきました。

コスタに広がる首都リマの市街地

<シエラ>

ペルーは赤道に近い低緯度に位置するため、高地であるシエラの標高2500m~3500mの地域の気候は温暖で、インカ帝国の中心都市であったクスコもこの地域に位置しています。この地方で育つジャガイモで、お祭りにしか食べられなかった高級な品種(ソラナムフレファ種)が日本向けに改良され「インカのめざめ」となりました。

シエラに位置するかつてのインカ帝国の首都クスコ

インカのめざめ

<セルバ>

アンデス山脈の東斜面の標高2000メートル以下の地域を指します。アマゾン川流域に当たる熱帯雨林であり、西のアンデス山脈に近づくにつれ雨量が非常に多くなります。標高500m以下はセルバ・バハ(低セルバ帯)と呼ばれ、かつてはゴムや砂金のブームが起きました。

セルバを流れるアマゾン川と熱帯雨林

クスコとプエルトマルドナドの中間に位置する人口1950人の小さな街キンセミル(Quince Mil)では、20世紀初頭にゴールド・フィーバーが起こりました。あまりに金(ゴールド)が多いため、結婚のお祝いに新郎新婦に投げつけるのは、米でもバラの花でもなく金だったそうです。そして、つい最近まで教会の床からは、金が見つかっていたそうです。

現在のキンセミルの町

さて、今回はここまでとします。次回はペルーの歴史をたどる予定です。ご期待ください。

<参考>

・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

・ペルーアマゾン、低セルバ帯の熱帯雨林 http://photo-kataru.com/619_OmaguaRainforest.htm

・Historias de Quincemil,IIRSA SUR  https://www.iirsasur.com.pe/historias-de-quincemil/

・Demographia, 2021.05, Demographia World Urban Areas 17th Annual Edition, http://www.demographia.com/

・ペルー国立統計情報研究所HP https://www.inei.gob.pe/

・政府の総合統計窓口 https://www.e-stat.go.jp/

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