2020
05.31

国際連合人口統計年鑑の調べ方

ブログ

国際連合から出版されている人口統計年鑑を知っていますか。

子供のころ、生まれた町の図書館で「人口年鑑」と書かれた本が置いてあったのを記憶しています。手には取らなかったのですが・・・

小学生のころ初めて手に取った地図帳には、たくさんの街の名前が載っていました。地図帳の後ろに、主だった都市の人口は載っていたのですが、もっと知りたいと思いました。

人口年鑑という文字から、たぶん小さな町の人口まで載っているのではないかと期待し、町の本屋さんで尋ねましたが、そのような本は取り扱っていないと言われ、そのときはあきらめざるを得ませんでした。

私が就職して少しすると、インターネットが次第に普及してきて、本の情報も検索できるようになりました。そこで、人口年鑑で検索してみると、「原書房」から国際連合世界人口年鑑が出ていることが分かったのです。

最初は、さっそく近くの本屋で注文しました。

確かに、都市の人口が載っていましたが、首都と10万人以上の都市に限定されていました。それでも、毎年このような本が手に入るだけでもうれしくて、出版されるごとに購入していました。

今、本屋に注文しなくても、原文の電子データであれば国際連合のホームページからダウンロードが可能です。

原文は、学術的な用語なども含まれているため、素人が読み進めるとどうしてもわからない単語が出てきます。日本語訳された「国際連合世界人口年鑑」は専門家の手による翻訳のため、手元に1冊でもあると解釈に役立つと思います。

さて、この原文「DEMOGRAPHIC YEARBOOK」ですが、国際連合のHPに1948年以降のものが集積されています。

総務省統計局の下記のページではDEMOGRAPHIC YEARBOOKの利用方法について記載があります。参考にして、閲覧してみてはいかがでしょうか。私も愛読しています。

https://www.stat.go.jp/data/sekai/qa-1.html#Q06

ところで、このHPには一部のみ、2018年版のDEMOGRAPHIC YEARBOOKの目次が記載されています。

ここでは、2018年版に記載の表すべてについて、ご紹介しましょう。

表1.抽出年における世界、世界の主要地域、地域の人口、人口増加率、出生率と死亡率、面積と人口密度/表2.2018年における世界、世界の主要地域、地域別の年齢階級別人口とその割合、男女比の推計値/表3.国と地域別男女別人口、人口の年間増加率、面積と人口密度/表3a.1985年~2018年における男女別人口、都市・農村別人口のウィップル指数注1/表4.2014年~2018年における人口動態統計の概要と出生時の平均寿命/表5.2009年~2018年における年央人口の推計値/表6.2009年~2018年における男女別の総人口と都市人口/表7.2009年~2018年のうち入手可能な最新年における年齢階級別、男女別、都市・農村居住者別人口/表8.1999年~2018年のうち入手可能な最新年における首都、人口10万人以上の都市の人口/表9.2014年~2018年における都市・農村居住者別の出生数と粗出生率注2/表10.2009年~2018年のうち入手可能な最新年における母体年齢階級と子どもの男女別の出生数、一般的な出生率と年齢階級別の出生率/表11.2009年~2018年のうち入手可能な最新年における父親の年齢階級別の出生数と出生率/表12.2014年~2018年における都市・農村居住別の胎児後期死亡数注3と胎児後期死亡率/表13.2009年~2018年における合法的な人工妊娠中絶/表14.2009年~2018年のうち入手可能な最新年における女性の年齢階級別および過去の出生数別の合法的な人工妊娠中絶/表15.2014年~2018年における都市・農村居住別の乳幼児死亡数と乳幼児死亡率/表16.2009年~2018年のうち入手可能な最新年における子どもの年齢・男女別の乳児死亡数と乳児死亡率/表17.2007年~2016年における妊産婦死亡数と妊産婦死亡率/表18.2014年~2018年における都市・農村居住者別の死亡数と粗死亡率注4/表19.2009年~2018年のうち入手可能な最新年における年齢階級別・男女別死亡数と死亡率/表20.2004年~2018年のうち入手可能な最新年における特定年齢(5qx)以降の5年間隔で死亡する男女別の確率/表21.1999年~2018年のうち入手可能な最新年における男女別の特定年齢での平均寿命/表22.2014年~2018年における都市・農村居住者別の結婚数と粗婚姻率注5/表23.2009年~2018年のうち入手可能な最新年における新郎の年齢階級別・新婦の年齢階級別の結婚数/表24.2014年~2018年における都市・農村居住者別離婚数・粗離婚率注6/表25.2009年~2018年のうち入手可能な最新年における婚姻期間別の離婚数とその割合/附属 I.2009年~2018年における国連推計年央人口/附属Ⅱ:2015年~2020年における国連推計人口動態統計の概要

注1:調査時に自分の年齢や生年を不正確に報告する傾向をはかる方法のひとつ。例えば、自分の年齢を正確に知らない人が、自分の年齢の下一桁を0や5に丸めて報告する事例があり、このような事例が多いと統計が実態とかけ離れることになる。ウィップル指数は、23歳から62歳までの年齢範囲で下一桁が0や5である年齢の合計人口をその総人口で割ったものに5を掛けることで求められる。国際連合の提言によるとウィップル指数が125以上でデータの質が不良となる。

注2:一定人口に対するその年の出生数の割合をいう。一般的には、人口1,000人当たりにおける出生数を指し、普通出生率ともいう。

注3:一般的には死産

注4:一定期間の死亡者数を単純にその期間の総人口で割った値

注5:ある期間における全婚姻数の総人口に対する比

注6:ある一定期間における平均人口総数に対する離婚数の比率

<参照>

・国際連合 人口統計年鑑システム  https://unstats.un.org/unsd/demographic-social/products/dyb/

・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

・総務省統計局 「世界の統計」に関するQ&A(回答)

コメントは利用できません