2023
06.04

都市的地域(人口集中地区)の人口ランキング第4位、札幌市広域人口集中地区の境界部とその拡大

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およそ1年ぶりになってしまいました。

都市的地域、いわゆる本当の意味での都市人口についてランキング調査の第4回目になります。

前回までに1位~3位をご紹介しました。

1位東京、2位大阪、3位名古屋でした。

なお、ここでは連続的な人口集中地区で最も人口の多い都市の名前を冠して広域人口集中地区としています。

また、1位の東京には100万人以上の都市で横浜市、千葉市、さいたま市が含まれます。

2位の大阪には同じく神戸市の一部が含まれます。(京都市は残念ながら連続していないため含まれません)

そして、今回第4位の札幌市広域人口集中地区をご紹介します。

札幌市広域人口集中地区の概要

札幌市を中心に広がる、ここでいう札幌市広域人口集中地区とは、札幌市中心部から続く都市的地域であり、札幌市中心市街地および江別市の中心市街地、北広島市の一部からなります。

札幌市を中心に広がる人口集中地区(オレンジ色、人口集中地区が連続的に広がっている地域)、濃いグレーはその他の人口集中地区、国土地理院ウェブサイトの地図を加工、人口集中地区は地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)を参照

人口集中地区と地区名

その人口は合計197万6854人、200万人をわずかに切りますが、北海道の人口522万4614人のおよそ38%の人口が札幌市とその周辺部に連続する都市的地域に住んでいることになります。

札幌市広域人口集中地区を構成する人口集中地区一覧

地域名 総人口
(人)
人口(男性)
(人)
人口(女性)
(人)
面積
(km2
人口密度
(人/km2
札幌市中央区 人口集中地区 246,573 112,027 134,546 23.13 10,660.3
札幌市北区  人口集中地区Ⅰ 241,070 113,966 127,104 30.31 7,953.5
札幌市北区  人口集中地区Ⅲ 5,849 2,811 3,038 1.13 5,176.1
札幌市東区  人口集中地区 255,174 120,979 134,195 31.74 8,039.5
札幌市白石区 人口集中地区 208,075 98,168 109,907 24.03 8,659.0
札幌市豊平区 人口集中地区 224,027 103,600 120,427 21.69 10,328.6
札幌市南区  人口集中地区Ⅰ 91,451 41,821 49,630 15.02 6,088.6
札幌市西区  人口集中地区 214,749 98,999 115,750 24.95 8,607.2
札幌市厚別区 人口集中地区 123,339 55,999 67,340 16.67 7,398.9
札幌市手稲区 人口集中地区 138,048 64,787 73,261 21.86 6,315.1
札幌市清田区 人口集中地区 109,681 51,608 58,073 18.62 5,890.5
江別市    人口集中地区Ⅰ 102,974 48,885 54,089 22.99 4,479.1
北広島市   人口集中地区Ⅱ 15,844 7,769 8,075 4.43 3,576.5
合計 1,976,854 921,419 1,055,435 256.57 7,704.9

都市的地域の境界部とその拡大

市街地の西から南にかけての縁辺は、手稲山から百松沢山(ひゃくまつざわやま)、砥石山などの山々の山裾が市街地に迫っています。

山裾が市街地に迫る人口集中地区の西から南の縁辺,地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)

山裾の間を縫うように市街地へと流れ込む豊平川の沿岸に沿って、定山渓方面へと南西方向に市街地が伸びていますが、国道230号線が豊平川と交わる石山大橋付近で一旦人口集中地区は途切れます。平成27年国勢調査時は、南区藤野および石山地区に広がる人口集中地区とつながっていましたが、平成2年国勢調査では途切れてしまいました。また、真駒内川に沿って南に延びていた地区も、令和2年時には区域外となっています。

札幌市南区の人口集中地区の変化(石山大橋付近),地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)

人口集中地区南端の北広島市大曲地区は工業団地が形成され人口増の続く地区ですが、令和2年国勢調査で札幌市清田区の市街地南端とつながり、札幌市広域人口集中地区の一部となりました。

札幌市清田区と北広島市の人口集中地区の変化,地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)

札幌市広域人口集中地区の南東部、北広島市大曲地区の人口集中地区東縁から清田区、厚別区、江別市南部にかけての市街地東縁は森林地帯が続きます。特に清田区里塚の東には、原始林と工業用地のその先に特別天然記念物の野幌原始林の森が広がっています。

清田区の人口集中地区と東の森林地帯、およびその先の野幌原始林,地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)

厚別区及び江別市南部の人口集中地区の東縁は、野幌森林公園の樹林帯が広がります。

厚別区の人口集中地区とその東に広がる野幌森林公園の森林地帯,地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)

江別市の人口集中地区Ⅰは厚別区北部と接し、JR函館本線に沿って北東方向に市街地が広がり、石狩川がその末端となっています。周辺部には田畑が広がっています。

江別市の中心市街はJR函館本線に沿って北東に延び、北東端は石狩川で途切れる,地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)

白石区の人口集中地区北端、道央自動車道と札樽自動車道を結ぶ札幌ジャンクション付近には、その利便性から多くの企業が立地し、人口集中地区もここで途切れます。札幌ジャンクションの北東側の米里地区には米里北工業団地が広がります。

札幌ジャンクション周辺,地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)

札幌市北区の人口集中地区Ⅰの北東端は人口集中地区Ⅲの拓北からあいの里にかけての市街地と、わずかな距離で市街地が分離しています。平成27年国勢調査時と比較すると、人口集中地区Ⅲがやや広がり、双方が連続するのもあとわずかのように思われます。

北区人口集中地区Ⅰ北東端の篠路地区と北区人口集中地区Ⅱ南西端拓北地区との境,地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)

人口集中地区の北側、札幌市北区人口集中地区の北西端および手稲区人口集中地区の北東縁からそれぞれおよそ500m離れて石狩市の人口集中地区ⅠおよびⅡが広がっています。樹林や畑、発寒川が両者を隔てており、平成27年から令和2年にかけてほとんど人口集中地区のひろがり、接近は見られません。

札幌市北区、手稲区および石狩市の人口集中地区,地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)

手稲区人口集中地区の北西端、星置地区は小樽市銭函地区の人口集中地区との間はわずかです。平成27年国勢調査時に比べ、小樽市銭函地区の人口集中地区が大きく東に広がりました。このままの状況が続けば、次回の調査時にはつながっているかもしれません。

手稲区人口集中地区と銭函の市街地の拡大,地図で見る統計(統計GIS,政府統計の総合窓口)の地図を加工、ベースの地図は国土地理院ウェブサイト)

最後に

以上、人口集中地区の境界付近の状況を細かく見てきました。南西縁は山々に遮られ、南東部は森林地帯、野幌原生林など貴重な森林資源も広がっています。そして北東部は市街地の広がりを見せつつも、石狩川の流れが都市の拡大を遮ることになりそうです。

札幌市の人口増は近年鈍化を見せています。今後、地域自体の人口の伸びは大きくはない事が予想されるものの、すでにある周辺の市街地と接続しさらに都市的地域は広がりを見せる可能性があります。札幌市北区拓北、あいの里地区の都市的地域(札幌市北区人口集中地区Ⅱ)との接続、北西部小樽市銭函地区の都市的地域(小樽市人口集中地区Ⅲ)との接続により、しばらくは市街地の拡大が見込まれそうです。

<参照>

・政府の総合統計窓口 https://www.e-stat.go.jp/

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